【選評】鹿島アントラーズ J1リーグ 第2節 アウェー川崎戦【リモートマッチ】

長い長いリーグ中断期間を経てついにJ1リーグが再開しましたね!

 

J1 第2節 アウェー川崎戦

初のリモートマッチの結果は、

鹿島 1-2 川崎

で残念ながらリーグ戦2連敗です。

 


【DAZN提供】2020 明治安田生命J1リーグ 第2節 川崎フロンターレvs鹿島アントラーズ_20200704_Game Highlights

 

 

試合結果を総括すると、 

内容よりも判定に目がいってしまうという、典型的なJリーグの良くない試合だったと思います。

 

飯田主審は相変わらず基準がブレブレで、鹿島サポの視点からするとどう観ても不平等なジャッジと言わざるをえないシーンが多々ありましたね。

副審についてもオフサイドと谷口の染野に対する後ろからのチャージと2つのシーンが物議を醸しそうです。(こちらはDAZNJリーグジャッジリプレイに期待)

 

 

 

さて試合内容について入っていきましょう。

この試合では、「中断期間でチームとしての成熟度がグンと増してきたな」と感じました。 

 

 

チームとして、最終ラインが整っていたこと選手間の距離が良くなってきたこと速いテンポのパスが回るようになってきたこと、で攻守とも向上してきたと言えるでしょう。

 

 

◆最終ラインについて

 残念ながら副審にオフサイドをとってもらえませんでしたが、ボールホルダーにチェックにいった篤人を基準としてしっかりラインが整っていたことからも、チームとして最終ラインのコントロールがしっかりとできているという印象でした。

ボールや相手の位置に合わせてしっかりとラインの上げ下げもできており、守備の安定感が増したなという印象でした。

 

 

◆選手間の距離について

川崎に中央から崩し切れるシーンをほとんど作られなかったことからも、選手同士の距離感がよく決定的プレーをさせるようなスペースを空けていないためでしょう。

守備のとき選手間の距離が近いことで、「奪ったあとすぐ近くの味方にパスをつけて攻撃を始動する」という形も随所に見られてきて。守→攻の切り替えも向上してきたなと感じました。

適切な距離感を作り出すポジショニングが、この中断期間で格段に向上したように見受けられまいた。

 

ただ距離感を意識するあまりか、2失点目のようにボールホルダーへのアプローチが遅れたことでピンチを招いてしまうというシーンもあったので、守備のときのボールへのアプローチとポジショニングのバランスは精度を上げていくしかないなと思いました。

(ま、2失点目については永戸の寄せが甘かったとはいえ、あのクロスを上げた家長とそのボールを完璧のコントロールして正確なシュートを決めた長谷川を褒めるべきですが)

 

 

◆速いテンポのパス回しについて

早い時間の失点もあり押し込まれるシーンも多かった前半に対して、後半はほとんど鹿島のペースだったと言ってもいいのではないでしょうか。

押し込み続けることができた大きな要因の一つが、速いテンポのパスが回るようになってきたためだと思います。

 

基準となる近い選手同士でのパススピードが昨シーズンに比べて格段に上がってきたように見えました。前述のように選手間の距離も適切になるようなポジショニングを意識して動けていることもあり、川崎の選手が鹿島のボールホルダーをプレスで引っ掛けられない状態を作り出せていたと感じました。

近い距離で速いテンポのパスが回せることで、裏へのパスやサイドチェンジも効果的になり、結果としてサイドからのクロスで決定的なシーンを何度か作り出せていました

 

1試合通して相手を押し込む展開にできるようになるにはもう少し時間がかかりそうですが、チームとしての練度さえあがってくれば、1試合の多くの時間を相手陣内で戦うという試合も出てきそうだなと思いました。

 

 

◆選手交代について

もう一つ選手交代についても話をしておきたいと思います。

ザーゴ監督は先手をとりつつ5名の選手交代を迷わず使いました。5名の選手交代前後で感じたことは、選手の特徴の差はもちろん出るものの「チームの骨子となるポジショニングが全選手しっかりとできている」ということです。

中断期間中の戦術浸透がしっかりとできていた証でしょう。本日ベンチ入りできなかった選手についても同じような状態になっていれば、連戦を戦っていく上でも選手層の厚さが生きてくると思います。

シーズン開幕当初に考えていたよりも早い段階でチームの状態も上向きそうな予感です!

 

 

 

さて続いては恒例の今節の気になった選手です。

 

永戸

攻撃での魅力が素晴らしいですね。永戸のパスはほとんどがチャンスと紙一重だったと言ってもいいレベルだと思います。

近い距離でのパス回しも正確で、多種多様なクロスでゴール前のいい場所にパスがでていました。

あとはゴール前に入る選手とわかりあえてくればアシスト量産しそうな印象です。

 

 

エヴェラウド

篤人のピンポイントクロスは決めてほしかったが、フィジカルコンディションが上がってきて実力の片鱗が見えてきました

ゴール前でのシュートやポストプレーがメインの選手だと思っていましたが、突破力が非常に魅力的ですね

 ブラジル人らしくスロースターターなのか、まだ最後のピントがあっていない感じですが、暑くなってくるこれから爆発してほしいところです。

 

 

健斗

中断期間を経てポジショニングが非常に良くなったと思います。

もともと守備のときのポジショニングは絶品でしたが、それが攻撃中でもよくなってきましたね

レオや永木との関係も状況に応じて、縦になったり横になったりとダブルボランチが非常に絶妙な連携を取れていたことが、チームを攻守両面で安定させていたと思います。

 

 

 

染野くん

残念ながらポストを叩いてしまいましたが、しなやかで強烈なシュートはその精度も高そうです。

ボールの受け方もうまいし、ゴール前で決定的なところに飛び込むポジショニングも素晴らしい。2年前の選手権で観た衝撃以上に衝撃を受けました。

荒木くんといい本当に今年の新人はレベルが高い。染野くんも前線のポジション争いにしっかりと入っていける実力を証明してくれたと思います。今シーズンこれからが楽しみな選手ですね!

(谷口の後ろからのチャージで怪我しなくて本当によかった)

 

 

 

 

◆最後に川崎の印象について少々

システムを4-3-3に変えてきたことで、両ウィングからの攻撃は速攻でも遅攻でも非常に強力な武器になりそうだなとは思いました。

ただ、そのせいで中央でショートパスを回すための人員が減っていて、川崎本来のショートパスで相手を崩す形が弱くなってしまっているように見えました。

とくに大島の周りに選手が少ないことで彼の良さがあまり出ていなかったように思います。(私の持論では大島は半径10mの範囲ではスーパーな選手)

サイド攻撃にしても、家長と長谷川は非常によかったですが、交代で入った齋藤学と旗手はそこまでインパクトを残せた感じではなかったので、川崎は連戦でスタメンを変えたときにどれだけ踏ん張れるか、というところが今シーズンのポイントかなと思います。

 

 

 

残念ながら今節も勝利を掴むことができませんでしたが、次はホーム我らがカシマスタジアムでの試合です。

スタジアムにはいけないけどサポみんなで画面越しに応援しましょう!

ガンバレ鹿島アントラーズ!! 

 

 

 

平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 - 日本全国56人に会ってきた - (ヨシモトブックス)